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生物多様性とは
アースデイとやま の記録

2010年10月10日(日曜日)

第9回・第10回生物多様性講座のご報告

カテゴリー: - yokomogu @ 14時49分54秒

 第9回生物多様性講座は、9月26日(日)に富山市県民共生センター(サンフォルテ)で開催されました。10:00〜12:30の「発酵食品との出会い ー漬物の世界を知る、味わう」では漬物本舗「道長」代表の石川豊久さんのご指導により、伝統的な漬物の世界を、実際に野菜や魚を使って作り食べるという体験を通じて、まさに「味わう」ことができました。その後、13:00〜14:30には同じ石川さんのご講演「遺伝子組み換え食品の現状と名古屋での動き」を拝聴し、市民団体が行った、愛知県での遺伝子組み換えナタネの分布調査の結果などについて知ることができました。14:30〜16:00には日本イヌワシ研究会会長の小澤俊樹さんのご講演「イヌワシの現状を知る」があり、国内外のイヌワシ各亜種の現状や富山県内の地域ごと(というか場所ごと)の非常に具体的な問題点について解説していただきました。午後の講演の参加者は19人で、日本野鳥の会富山の参加者が4名ほどおられ、かなり突っ込んだ討論をしていただきました。

 第10回生物多様性講座「イタセンパラの保護の現場で」は、10月9日(土)14:00〜16:30に氷見市内のイタセンパラ保護池で行われました。あいにくの雨天でしたが、講師の西尾正輝さんの楽天的な(笑)判断で決行され、氷見市海浜植物園で飼育されているイタセンパラを観察しながらの説明の後、車に分乗して保護池に向かいました。西尾さんの指揮のもと、底引き網で池の中のイタセンパラを捕獲して、透明容器に入れるなどして観察しました。悪天候の影響かあまり捕獲できなかったのですが、それでも雌雄の生きたイタセンパラを間近に見ることができました。ボーイスカウト氷見の10名の子供たちの参加があり、参加者数は33名を数え、連なって田舎道を保護池に向かう10台ほどの多様な自動車の列は、一種異様な雰囲気を醸し出してさえいました。NHKとやまのカメラ取材がありましたので、ニュースなどでご覧になった方はご紹介いただけると幸いです。

 生物多様性連続講座も、余すところ後2回です。ぜひご参加ください。


2010年5月22日(土曜日)

第5回生物多様性講座の報告

カテゴリー: - yokomogu @ 13時34分47秒

 第5回生物多様性講座「呉羽の森の植物たち」(現地観察会)は、約20名の参加者と、NHK富山の取材を得て盛況のうちに開催することができました。その後の出店・出展者説明会も無事行うことができました。関係者の方々に深くお礼申し上げます。ただし、アースデイ関連団体のうち今回の生物多様性講座に参加されたのは立山自然保護ネットワーク、市民生きものメイト、きんたろう倶楽部、とやま環境財団の4団体のみでした。


2010年4月28日(水曜日)

第4回生物多様性講座の感想

カテゴリー: - yokomogu @ 18時00分37秒

 今回の講座では、富山県雷鳥研究会の松田 勉先生による、これまでの調査結果を中心とした話を聞いた。
 私が関心を持ったのは、ライチョウのフン分析である。3500円で細菌の分析しかできないのは、すごく勿体無いと思った。質問して聞いてみても、多細胞性の寄生虫は調べられていなかった。寄生虫が生活環を維持するには、ある程度宿主の個体数が確保されていないといけないことは、前回の講座やゼミで知っている。果たして、200から300の個体数で寄生虫の生活環が維持できるのか、気になった。
 おそらく最後のスライドに出てきた氷で覆われたえさ場の写真。去年、今年と真冬にライチョウが利用するえさ場が凍りついてしまい、そこが利用できなかったらしい。冬を越すというのは、どんな動物でも非常に大変なことで、冬のイノシシは餓死することも多いらしい。この写真を見て、ライチョウの冬越えは成功するのだろうかと不安に思った。
 ライチョウを存続させていくには、繁殖場所の整備だけでなく、越冬も視野に入れた高山帯の保全が必要だと思った。

                   安田 暁(富山大学大学院理工学研究科)


2010年3月30日(火曜日)

受講生の感想(第1回・第2回)

カテゴリー: - 世話人 @ 13時00分19秒

第1回生物多様性講座の感想「生物多様性とは何か」(1)

地球上の生物種は、まだまだ把握できておらず、甲虫に関しては上限が分からないほど存在している。モグラの巣を発掘するたびに新種のワラジムシが見つかっているように、まだまだ未知の生物は数多く生息している。
 生物はお互いに関係しあいながら生きており、その組み合わせの数はは気が遠くなる数字になる。ナガエノスギダケ、樹木とモグラの共生は明確にされた関係だが、これは氷山の一角に過ぎず、ワラジムシとモグラの関係については何も分かっていない。世界には今でも見つかっていない生物の繋がりが存在する。
 「歴史的な時間が多様性を育む」と、最後に締めくくった。この具体例で私が思い浮かんだのは、ツバキとゾウムシの軍拡競争である。競争している歴史が長ければ長いほど、二者とも非常に変わった外観になる。この外観は遺伝子が残っていればすぐにでも生み出せるが、人為的に作り出せるものではない。無くなったら二度と元には戻らないのが、生物多様性なのである。                          

安田 暁
(富山大学大学院理工学研究科)
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第1回生物多様性講座「生物多様性とは何か」の感想(2)

 地面の下の見えないところで、キノコと、モグラと、植物が複雑な共生をしているのにびっくりしました。
 また、自然界には未知の生物が未だたくさんいて、その個々の生物同士が、関係しあって、今の、住み易い地球環境を維持しているのかな、と思い、生物多様性を守ることは大事なんだな、と感じました。                       

大野浩史
(富山大学理学部)
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第2回生物多様性講座「生物多様性はどのように衰退しているか」の感想

1.生物が一日100種消えていく
 前回は、この連続講座の根本にある「生物多様性」を解説しました。今回の講演では、昨今問題となっている生物種の絶滅と、その原因についての話だった。
 実際にどれだけの生物種が絶滅しているのかを、これまでの研究成果から考えられるおおよその概算を説明した。それによると、西暦1600年以前に絶滅したといわれている鳥類と哺乳類は、1850年以前は50年間に10数種程度だったが、その後は50年ごとに40種以上に増えており、人間活動の拡大が生物多様性に大きな影響を与えていることを示した。更に、現在の地球上での生物種の絶滅速度を概算してみると、一日に約50から100種程度といわれている。大量絶滅を除く自然状態での種の絶滅は、一日に1から10種程度と考えられており、人間活動の影響の大きさを強調した。
 ここまでは地球規模の話だったが、次に国内の状況に移った。横畑先生が都道府県レッドリストから集計した日本産陸生哺乳類の指定状況によると、小型哺乳類で4割、中・小型哺乳類で2割近くになるそうだ。哺乳類以外でもその程度か、それ以上の割合で、絶滅が危惧されていると思われる。

2.野生生物を滅ぼす4つの原因
 先の章で、野生生物を滅ぼす大半の原因は人間活動によるものだと説明したが、それ以外にも外来生物による撹乱や気候変動、感染症の発生も存在する。この章では、野生動物が絶滅する原因を、例を挙げながら解説した。
 自然と人為的な影響が複合的に作用した例として、北陸地方で明治から大正にかけてイノシシとニホンジカが絶滅したことを使った。この頃に発達した狩猟技術の進歩と、分布や四肢の構造からこの二種は積雪に弱いこと。更に単独で生活するカモシカやクマが生存していることから、積雪の深い場所に追い込まれるなどして群れごと捕獲されたと考えられる。
 自然界には完全に独立して生活している生物は存在せず、なんらかの繋がりを持っており、一方が絶滅すると、もう片方も絶滅することがある。Syderoxylon sessiliflorumという樹木の種子は、300年前に絶滅したドードーの消化管を通過することで発芽能力をもつことができると推測されている。幸いにもシチメンチョウがドードーと同じ特性を持っていることが分かり、現在この樹木の保護策がとられている。この例では、シチメンチョウがドードーの代わりを務めることができたのは偶然であり、このような幸運は何度も続くものではない。
 このような関係の中で、特定の種が絶滅すると他の種が共倒れする場合があり、そういう種を「要石種」(キーストーン種)と呼ばれている。要石種には捕食種の例がよく知られており、捕食者が植食者を食べることで、間接的に植物を保護している。ブラックバスは、日本では植食性の小魚を食い潰す外来種だが、自然分布地である北アメリカのコロラド州では重要な要石種である。

3.外来生物とその問題点
 この章では、先ほど名前だけ出てきた外来生物の脅威についてより詳しく説明した。                       
 まず「外来生物」から説明すると、本来の分布域から人の手で他の地域に持ち込まれ、人の手を離れてその地域に定着した生物のことをいう。国外から持ち込まれたものを「国外外来生物」、国内の別の地域から持ち込まれたものを「国内外来種」といい、外来生物の出身によって区別している。
 外来生物は色々な理由で持ち込まれており、日本産陸生哺乳類の場合、総種数の約4分の1を占めている。これら外来生物は、生態系の様々な仕組みを通じて本来の自然の姿を大きく変えてしまう。その影響力は、自身が増殖することから長期的に働いてしまう。具体的には、在来種と交雑することで、長い年月を掛けて作られた遺伝子の多様性を減少、または消滅させてしまう。また、感染症の持ち込みや産業被害、人体への直接の加害などによって人間社会に直接被害を与えることがあり、地域ごとの自然やその中で成立している文化を歪めてしまい、それらの正しい認識を妨げてしまう。新天地で在来生物に著しい影響を及ばす外来生物は、侵略的外来生物と呼ばれている。
 こうした問題は、これまで見過ごされてきたが、2004年に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)が制定された。この法律で「特定外来生物」と指定された生物は、その利用を制限される。しかし、この法律では国内外来生物や、寄生生物を扱えないなど大きな問題が残されている。

4.平和と生物多様性 −尖閣諸島魚釣島の野生化ヤギ問題を例に
 最後に、外来生物の具体的な問題について、横畑先生の研究である尖閣諸島魚釣島の野生化ヤギ問題を紹介した。
 尖閣諸島は南西諸島西表島の北に位置し、5つの島嶼からなり、魚釣島の面積は3.8km2程度。
この諸島には数多くの固有生物が生息しており、魚釣島で報告されているものだけでも13種2変種に及ぶ。この島には未発見の新種がまだまだ存在する可能性が高い。横畑先生がこの島を調査することに動機は、この島で見つかったセンカクモグラという固有種が関係している。このモグラは魚釣島でしか見つかっておらず、もしこの問題を放置しておけば人類によって地中性哺乳類が絶滅させられたことになる。自分が生きている間にそんなことは起きて欲しくないというのが、この問題に取り組んでいる横畑先生の希望である。
 しかし魚釣島では、ヤギの番が日本のある政治団体によって1978年に意図的に放逐された。その後の1991年の観察では、島の南斜面だけで300頭にまで増殖した。ヤギといった大型草食動物が離島に定着した場合、採食と踏圧によって植生が破壊され、環境が大きく変わってしまうことが知られている。戦前から何度もヤギを移入された聟島群島をはじめとする小笠原諸島の多くの場所で、著しい森林破壊によって数多くの生物が姿を消し、むき出しになった土壌が海に流出し、海底の生物まで死滅するに至っている。
 人工衛星が撮影した写真を解析すると、2000年の撮影では島の約12%までヤギの影響と思われる裸地化が起きていることが分かった。また、2006年には幅150mに及ぶ大規模な崖崩れが起きていることが確認された。このまま放置すれば、島の大半が裸地化し、多くの固有生物が姿を消してしまうことになる。
 一方、尖閣諸島は、日本と中国の間で領有権に問題があり、長く国際問題となってきました。関連するいくつかの学会などが、上陸調査とヤギの除去を含め対策を求める要望書を政府に提出してきましたが、対策の実施には至っていません。
 この問題は、外来種の問題の大きさとともに、生物多様性を守る上での平和の大切さを物語っているといえるでしょう

安田 暁
(富山大学大学院理工学研究科)


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